技能実習2号・3号から特定技能ビザへの変更

在留資格「特定技能」の取得については、当HP内の「『特定技能ビザ』について」の中でも解説したように、下記の2つのルートがあります。

■日本語及び技能試験に合格(試験合格ルート)

■第2号技能実習を良好に終了していること(技能実習終了ルート)

ここでは、「技能実習終了ルート」について

A.技能実習第1号から第3号までの流れ

B.特定技能への変更するための「第2号技能実習を良好に終了する」とはどのような内容か

について解説していきます。

A.技能実習第1号から第3号までの流れ

技能実習は、1年目の技能実習1号、2年目から3年目にかけての技能実習2号、そして一部の業種で認められている4年目から5年目にかけての技能実習3号として、3段階に分かれて行われております。

その流れは以下の表のようになります。

時期 手続等 備考
入国前 6か月前 入国前講習開始
4か月前 技能実習計画認定申請(1号) 6か月前から申請可能
2か月前
技能実習1号 1か月目 入国後講習
7か月目 技能検定(基礎級)受験申込
9か月目 技能検定受験(基礎級)

技能実習計画認定申請(2号)

受験推奨時期:3か月前まで

6か月前から申請可能

10か月目 在留資格変更許可申請
12か月目
技能実習2号 1か月目
技能検定(3級)受験申込
18か月目 技能検定受験(3級) 受験推奨時期:6か月前まで
22か月目 技能実習計画認定申請(3号) 6か月前から申請可能
23か月目 在留資格変更許可申請
24か月目
技能実習3号 1か月目
技能検定(2級)受験申込
22か月目 技能検定受験(2級) 受験推奨時期:実習終了まで
24か月目

この表にあるように、1号・2号・3号それぞれに技能検定試験が設定されており、技能実習生が祖国に持ち帰るべき技能を身に着けるという目的からして、技能試験に合格することが大きな目的となります。
なお、入国後1年目に受験する技能検定試験(基礎級)は、これに合格できない場合は技能実習2号に移行することなく帰国しなければならなくなります。

B.特定技能への変更するための「第2号技能実習を良好に終了する」とはどのような内容か

技能実習2号・3号から特定技能へ在留資格を変更する場合の条件は、技能実習2号を良好に終了していることです。
ここで言う「良好に終了している」とは、下記の内容のことを言います。

技能実習を2年10か月以上行い

1.技能実習2号の技能実習計画において目標として定めた技能検定3級に合格していること

または

2.技能検定3級に合格してはいないものの、特定技能外国人の技能実習を行っていた実習実施者が、外国人の実習中の出勤状況や技能等の修得状況、生活態度等を記載した評価調書により、技能実習を良好に終了したと認められることをいいます。

※なお、特定技能所属機関自体が、その外国人を技能実習生として受け入れていた実習実施者である場合には、過去1年以内に技能実習法の「改善命令」を受けていない場合は、評価調書の提出を省略することができます。

<注意点>
■技能実習2号、3号の活動中の外国人が実習計画を中断して、特定技能の在留資格への変更を行うことは認められません。

■技能実習生の実習先が倒産したため、評価調書が提出できない場合があります。
この場合の対応方法として、当時の実習状況を知りうる立場の方がいる場合、その立場の人が作成した実習状況を説明する文書により、地方出入国管理局へ評価を依頼することも可能です。
しかし、その立場の方が見つからない場合は、「試験合格ルート」への変更を考えることが必要です。