帰化

日本国籍の取得(帰化)

国籍とは、人が特定の国の構成員であるための資格を言います(法務省国籍Q&Aより)。

国が存立するためには、領土とともに国民の存在が不可欠ですから、国籍という概念はどこの国にもあります。

どの範囲の者を国民として認めるかについては、それぞれの国が自ら決定することができます。

我が国においては、国籍法によって日本国籍の取得及び喪失の原因を定めています。

また、帰化とはその国の国籍を有しない者(外国人)からの国籍取得を希望する旨の意思表示に対して、国家が許可を与えることによってその国の国籍を与える制度です。

日本では、帰化の許可は、法務大臣の権限とされています(国籍法第10条)。

国籍に関する手続き(取得・離脱)は下記のところで行えます。

  1. 日本に住所がある方    住所地を管轄する法務局・地方法務局(※1)
  2. 外国に住所を有する方   外国にある日本の大使館・領事館

※1.帰化の申請では、まず「法務局との事前打ち合わせ」の予約を取り、法務局担当官との話し合いの中で帰化の要件を満たしていると判断されると、準備する必要書類の指示を受け、書類の準備をしたうえで、申請人本人が法務局に申請することになります。

帰化の許可までの流れ

  1. 法務局との事前打ち合わせ
  2. 申請書類の作成・取り寄せ
  3. 申請人本人が法務局に申請
  4. 法務局が提出された書類に不備がないか点検し、不備がなければ受付完了
  5. 法務局での審査(日本語での面接)
  6. 法務局から法務省へ書類が送付され、審査
  7. 法務大臣が決裁
  8. 許可または不許可(不許可の場合でも「不許可理由」は開示されない※2)

※2.不許可の理由は教えてもらえないが、面接時に「申請の取り下げ」の打診がされたり、担当官からの電話で「このままでは許可は難しい」旨の連絡が来る場合がある。

一度、不許可となると再申請が難しくなるため、専門家に相談するなど入念に準備することが必要です。

また、審査時には日本語での面接となるため、日本語での会話能力が必要となります。

帰化の要件/下記要件をすべてクリアしていることが必要です

①     引き続き5年以上日本に住所を有すること。
②     18歳以上で本国法によって行為能力を有すること。
③     素行が善良であること
④     自己又は生計を一にする配偶者その他親族の資産・技能により生計を営むことができる。
⑤     国籍を有せず、又は日本の国籍の取得によってその国籍を失うべきこと(重国籍禁止要件)
⑥     日本国憲法遵守要件

① 引き続き5年以上日本に住所を有すること。

原則、「5年以上日本に住所を有し、かつ3年以上日本で就労していること」が必要です。

ただし、1度の出国が3か月間以上の場合は通算期間がリセットされ、再入国してから引き続き5年間となります。

また、年間で半年以上累計の出国期間がある場合も通算期間がリセットされます。

なお、下記に該当する方の場合は①の要件が緩和されます。

「日本人の子」「日本で生まれた者」「日本人の配偶者」「かつて日本人であった者で、一定の者」

② 18歳以上で本国法によって行為能力を有すること。

帰化の要件として18歳以上であることとされ、自分の国の法律により行為能力(法律上の意思決定ができる能力)を有していることが求められます。

ただし、18歳に達していない場合でも親と同時であれば帰化申請は可能です。

子供に関しては、親が帰化申請して日本国籍を取得すれば、その時点で日本人となります。

在留期間や年齢は問われません。

③ 素行が善良であること

素行が善良であることが求められます。

具体的には、犯罪歴がないことや、日本の法律を守り税金をちゃんと払っているか、の部分です。

交通違反を何度か繰り返していたり、年金の支払いをしていない場合や支払いの遅延がある場合、税金をちゃんと申告していない場合などは、審査でのマイナス要因となります。

下記の点が重要です。

  • 納税義務を果たしていること。
  • 年金に加入し、しっかりと納付していること(最低でも1年間は納期通りに納付していること)。
  • 交通違反を繰り返していないこと。
  • 犯罪を犯していないこと。
  • 法令違反をしていないこと(脱税や過剰に家族を扶養に入れていたなども含む)

④ 自己又は生計を一にする配偶者その他親族の資産・技能により生計を営むことができる。

日本で暮らしていくことになった場合、申請人又は同居の家族がお金に困って犯罪を犯すようなことがないこと、また生活保護などを申請せずに経済的に自立し、安定した生活ができることを、帰化要件としています。

この場合、どのくらいの年収があればよいのか、質問を受けることがありますが、具体的にいくら収入があれば良い、という基準はありません。

家族の規模やそれぞれの生活環境によって必要な収入の金額が変わります。また、収入と支出のバランスが取れていることは、判断基準の一つになります。

借入がある場合、滞納がなく返済が遅れていなければ、問題はありません。

ただし、仕事による継続的な収入額と借入金額とのバランスがとれていなければなりません。

⑤ 国籍を有せず、又は日本の国籍の取得によってその国籍を失うべきこと(重国籍禁止要件)

国籍を持っていないか、又は日本の国籍を取得することで自分が持つ国籍を失うこと、が求められます。

二重国籍は認められません。

ただし、外国人がその意思にかかわらずその国籍を失うことができない場合で、日本国民との親族関係又は境遇につき特別の事情があると認めるときは、帰化を許可することができるとされています。

⑥ 日本国憲法遵守要件

日本政府を暴力で破壊することを企てたり、主張したりした者、若しくはそのことを企てたり、主張したりする政党等を結成し、または加入したことがある者、については帰化は許可されません。

帰化許可申請に必要となる主な書類

1. 帰化許可申請書(申請者の写真が必要)
2. 親族の概要を記載した書類
3. 帰化の動機書
4. 履歴書
5. 生計の概要を記載した書類
6. 事業の概要を記載した書類
7. 住民票の写し
8. 国籍を証明する書類
9. 親族関係を証明する書類
10.納税を証明する書類
11.収入を証明する書類

なお、申請者の国籍によって提出すべき書類が異なり、申請者が個人(確定申告している場合、してない場合、個人事業者の場合)または法人として事業を営む場合でも提出すべき書類が異なります。

「法務局との事前打ち合わせ」や「申請人本人が法務局に申請」する際は、行政書士が一緒に同行することも可能な場合があります。

一人で面談を受けるのは不安が大きいと思いますので、その点でも行政書士への依頼や相談は心強くなります。

当事務所に、お気軽にご相談ください。