「資格外活動許可申請」について
「資格外活動許可」は、就労や留学等の在留資格で在留する外国人の方が、許可された在留資格に応じた活動以外に、アルバイトなど、収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を行おうとする場合に行う申請です。
資格外活動の許可を受けることが見込まれる外国人
資格外活動許可の申請ができるのは、就労ビザや留学ビザ等を有する外国人です。
「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」などの身分系のビザを有する外国人は、就労活動に制限を受けないため、資格外活動許可の対象ではありません。
対象の外国人:
「留学」「教育」「技術・人文知識・国際業務」「文化活動」「家族滞在」「特定活動のうち告示25号・26号・40号・41号など」の在留資格を持って在留する者
※「短期滞在」ビザをもって在留する外国人の場合は、原則として資格外活動は許可されません。ただし、コロナ禍で帰国できない外国人および特別な事情により短期滞在ビザをもって在留が認められている者について、認められる場合があります。
「資格外活動許可」の要件
以下の要件のいずれにも適合する場合に、資格外活動を行う相当性が認められ、許可されます(出入国在留管理庁HPより「一般原則」)。
(1) 申請人が申請に係る活動に従事することにより現に有する在留資格に係る活動の遂行が妨げられるものでないこと。
(2) 現に有する在留資格に係る活動を行っていること。
(3) 申請に係る活動が出入国管理及び難民認定法別表第一の一の表又は二の表の在留資格の下欄に掲げる活動(「特定技能」及び「技能実習」を除く。)に該当すること。(注)包括許可については当該要件は求められません。
(4) 申請に係る活動が次のいずれの活動にも当たらないこと。
ア 法令(刑事・民事を問わない)に違反すると認められる活動
イ 風俗営業若しくは店舗型性風俗特殊営業が営まれている営業所において行う活動又は無店舗型性風俗特殊営業,映像送信型性風俗特殊営業,店舗型電話異性紹介営業若しくは無店舗型電話異性紹介事業に従事して行う活動
(5) 収容令書の発付又は意見聴取通知書の送達若しくは通知を受けていないこと。
(6) 素行が不良ではないこと。
(7) 本邦の公私の機関との契約に基づく在留資格に該当する活動を行っている者については,当該機関が資格外活動を行うことについて同意していること。
備考:「出入国管理及び難民認定法」は通常は「入管法」と呼んでいます。
入管法上、日本に在留する外国人は許可された在留資格に応じた活動以外の収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を行うことはできず、資格外活動の許可は、在留資格の範囲外の就労活動を例外的に認めるものです。
なお、留学生の場合は在学期間中の必要経費を補う目的で行う資格外活動については、日本人の雇用や労働条件等に与える影響が少ないことと判断し、就労分野を限定せずに就労可能な時間的上限を設けたうえで包括的な資格外活動を例外的に認められております。
また、家族滞在ビザについても、扶養者に十分な扶養能力がある場合に入国・在留が認められるものであるため、留学ビザ同様に就労活動内容に制限が設けられておりません。
留学生の場合、休学中は「現に有する在留資格に関する活動を行っていること」に該当しないため、資格外活動許可は認められません。
資格外活動許可の種類
資格外活動許可には「包括許可」と「個別許可」の2つの許可があります。
(A)包括許可
1週について28時間以内で報酬を受ける活動の申請があった場合、上記(3)以外のすべての要件に適合する場合、包括的に資格外活動が許可(包括許可)されます。
いわゆるアルバイト的な活動です。
風俗営業活動以外であれば、単純な労働など就労資格に該当しない活動も行うことができます。
ただし、就労時間が確定できる内容の就労でなければなりません。
包括許可の対象となる方の例
- 「留学」ビザで在留している方
- 「家族滞在」ビザで在留している方
- 継続就職活動 又は 内定後就職までの在留を目的とする「特定活動」ビザで在留している方
- 「教育」、「技術・人文知識・国際業務」または「技能(スポーツインストラクターに限定)」のビザのうち、地方公共団体との雇用契約により活動する方
- 外国人の扶養を受ける配偶者若しくは子、またはそれに準ずる者として扶養を受ける者として行う日常的な活動を指定されて在留する方で、「特定活動」ビザで在留している方
(B)個別許可
原則として、前述の(1)から(7)の一般原則に適合する必要があります。
上記の(A)に掲げる範囲外の活動について、許可の申請があった場合や、就労資格を有する方が他の就労資格に該当する活動を行うときは、活動を行う本邦の公私の機関の名称及び事業内容、その他必要な事項を定めて個々に許可されます。
個別許可の対象となる方の例
- 留学生がインターンシップに従事するとして週28時間を超える資格外活動に従事する場合。
- 「教授」ビザで大学に就業中の方が、民間企業で語学講師として従事する場合。
- 個人事業主として活動する場合や、稼働時間が確定できない活動に従事する場合。
包括許可と個別許可申請でのポイント
実際に申請する場合、下記の点に留意することが必要です。
包括許可
- 就業場所・活動内容が決定する前から申請することができます。
- 就業場所が変わってもその都度許可を取得する必要はありません。
- 週28時間まで働くことができます。
- 「留学」ビザの場合、学校が長期休業期間中であれば週40時間の範囲で、1日8時間以内の就労が可能です。
個別許可
- 就業場所や活動内容が決定してから申請しなければなりません。
- 就業先が変わるたびに許可を取得することが必要です。
- 就労可能な時間制限について、都度個別に決定されます。
資格外活動許可の取得が不要なケース
外国人が保有するビザで定められた活動以外の活動をする場合、報酬を受ける活動であっても、以下のものについては臨時の報酬とみなされ、資格外活動許可の取得は不要です。
- 業として行うものでない講演・講義・鑑定その他活動により報酬を受ける場合
- 臨時で日常の家事に従事して謝礼を受ける場合
- 留学ビザで在留する者が、通っている大学又は高等専門学校で教育又は研究の補助をして報酬を受ける活動をする場合
資格外活動許可のまとめ
日本に在留する外国人が、許可を受けずに資格外の活動をした場合、又は許可を受けていても時間を超過して働いたり、風俗営業活動に従事するなど許可に付された条件に違反した場合は、次のような不利益を受けることとなります。
- 在留期間更新や変更が不許可とされる
- 在留資格が取消となる・罰則及び強制退去の対象となる
資格外活動許可は、外国人が有する在留ビザごとに細かく要件が定められております。
ご不明な点は専門家に是非ご相談ください。